12月は現場の仕事が立て込んで実践ばかりだったので、理論のほうも疎かにしないため
日本マーケティング学会の価値共創型マーケティング研究会に参加してきました。

日々実践の方々もたまにはアカデミックな場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
あらたな発想を生むきっかけになるかもしれまん。

本日の研究会の内容を簡単にご紹介します。

マーケティング

『価値共創の成果とPay What You Want方式の価格決定』
広島大学の研究生さんの発表


Pay What You Want方式(PWYW方式)
≒顧客が価値を認め、顧客が支払いたいだけ支払う方式

PWYW方式の事例として大道芸やお賽銭、ロックバンド(Radiohead)
日本旅館(はづ別館)を紹介してくださいました。

また、顧客はほんまにお金を支払うのか?支払う金額は何に影響されるのか?
といった問題意識に対し研究内容を交え発表していました。

それによると、特定の状況が支払有無や金額の大きさに影響を与えるとの事でした。
目新しいものもありましたが概ねPWYW方式に限らず顧客がお金を払いたいと思う状況と
一致していると感じました。

私が担当している現場にPWYW方式を適用するのは難しいと感じましたが、
価格決定に関する知識の整理にもなったので有意義でした。

『製造業における価値共創概念の適用』
マツダ社員さんの発表
※社員さんの一意見であって、マツダが採用している考え方ではありません。


価値を作り出す時の考え方の分類には次のようなものがあります。

G-Dロジック… 企業が価値決め、価値を作り出す考え方
S-Dロジック… 企業と顧客の共創ですべての価値が作り出される考え方
Sロジック…… 企業が価値を作り出す部分もあれば、共創で作り出される部分もある考え方

製造業は製品を作り出し提供しているのでG-Dロジックの企業が多い傾向にあります。

そのようなG-Dロジックで動く製造業では、
使用段階でのニーズを分かって製品を作っているでしょうか?
使用段階でのニーズを取り込んだ製品を作っても顧客がそれを使いこなせるでしょうか?

製造業では企業が事前に価値を企業が決めているので、
顧客が求めているものと食い違いが生じ、機会損失が発生してしまいます。
※製造業では顧客が望んでいるものを作っていると思い込んでいることもあるようです。

顧客との直接的な接点を増やすことで上記のような問題を解決できる可能性があるとのことです。
製造業の特性を考慮するとSロジックを採用するのがよいが、採用には次のような課題があります。
そのような課題に対し事例をもとに解決策の糸口を紹介してくださいました。

課題と解決の糸口
1.接点量と顧客との距離の問題
 ⇒ITの活用、営業網の活用…
2.顧客能力の把握
 ⇒1による直接的な接点により解消
3.柔軟な能力の拡張
 ⇒M&A、コラボレーション

全てを書ききる事ができていませんが、
今までになかった着眼点や意見を聞くことができ面白かったです。

written by コンサルティング・リンクスル 田中基貴